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海鳥コロニーデータベースの目的
世界にはペンギン目、ネッタイチョウ目、ミズナギドリ目、カツオドリ目、ペリカン目(の一部)、チドリ目(の一部)を含む340種弱、7億個体以上の海鳥が生息しています。海鳥は餌のすべてを海洋に依存しており、年間7000万トンの魚やオキアミ、イカなどを捕食しています。これは世界における年間漁獲量に迫る量であり、海洋生態系の高次捕食者として海鳥は見逃せない存在となっています。一方で、世界各地において、刺網や延縄に海鳥が誤ってかかってしまう混獲の問題や、海鳥の餌であるイカナゴなどをとりすぎたせいで海鳥の個体数が減るなどの、漁業が海鳥に与える影響は時として深刻です。また、海鳥は様々な海洋生物を食べ、生物濃縮によって汚染物質を体にためるので、海洋生態系の変化や海洋汚染のインジケーターとして役に立つと考えられています。

 こういった理由から、世界の海鳥の繁殖地で繁殖数、餌、繁殖成績や成鳥生存率、また海上での分布などのモニタリングが行われています。イギリスでは52サイトで26種を25年以上、アメリカ・カナダでは190サイトで54種を数年から30年以上にわたり、政府機関や大学、民間研究機関などが実施しています。また南極域ではCCAMLR(南極海生物資源保存委員会)のもとでペンギン目やミズナギドリ目の詳細なモニタリングが実施されています。

 日本の海岸線の長さは中国の2倍、アメリカの1.5倍で、200海里排他的経済水域の面積は世界第6位となっています。島の総数は6800を超え、これらの島々や海岸などに、亜寒帯から亜熱帯種まで37種ほどの海鳥が繁殖しています。海鳥には絶滅危惧種が多く、日本でも、繁殖する海鳥種の6割ほどが環境省が作成したレッドリストに挙げられている状況です。

 海鳥コロニーデータベースは、海洋環境変化の素早い察知と海鳥の保全の両方に役立てるための基礎資料とすることを目的としています。本データベースは、日本海鳥グループが作成したデータベースをもとに、学術論文や報告文の追加情報をアップデートするとともに、個人所有の情報も収集し、公開の許可が得られた場合は、その使用条件とともにデータベースに加えています。さらに、環境省生物多様性センターの実施するモニタリングサイト1000調査(30か所)の情報も入っています。本データベースの情報は順次、更新していく予定です。
 近年、海鳥の繁殖地は、レジャー等による人の接近や離島へのネズミの侵入が海鳥の繁殖の脅威となっている例が多く見られます。このような脅威への対策も含め、海鳥の保全に役立てられるよう、より多くの情報を収集、発信していきます。

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