真珠の養殖


志摩半島の海岸の美しさをより一層引き立てているのは,湾内に浮かぶ多くの真珠筏が作り出す精巧で美しい幾何学模様です。今日の真珠養殖の技術は,御木本幸吉らが20世紀初頭に確立しました。成熟したアコヤ貝の体内にピースと呼ばれる外套膜の切片を移植し,そのピースに密着させて淡水貝の貝殻から作られた核を挿入します。このピースが増殖して核全体を袋状に覆い,核に向かって真珠質が分泌されます。志摩半島の海は波が穏やかで温暖なことから,真珠の養殖が盛んです。しかし近年、海の水質が生活排水等により悪くなり,真珠養殖にも影響を与えていることから,水質保全のための取り組みも行われています。