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| 父島 | |
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| 絶滅危惧IA類(CR) | |
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ウチダシクロキは、東洋のガラパゴスと称される小笠原諸島の父島のみに生育するハイノキ科ハイノキ属の常緑低木です。小笠原諸島に生育する同属植物として、他にチチジマクロキ、ムニンクロキがあり、これら3種は1種類の先祖から適応放散によって分化したものと考えられています。 ウチダシクロキは岩石が多い乾燥した斜面に生育しています。乾燥した場所は多くの植物にとっては生育には適した環境とは言えないでしょう。ウチダシクロキの葉は、縁が内側に巻き込まれた厚い皮質で、表面には深いしわが刻まれています。また枝は、著しく張り出した翼状の稜がついています。長い進化の過程でウチダシクロキは、乾燥した環境の中で生き残る術を身につけていったのでしょう。 戦前からすでに個体数が少なかったと報告されているウチダシクロキですが、1980年の夏の厳しい旱魃によって、乾燥に強いウチダシクロキさえ、大きな株が何本も枯れてしまったそうです。さらに近年の乾燥化によって、ますます個体数は減少しています。 また、ウチダシクロキを絶滅に追いやるもう一つの要因が懸念されています。父島に生息するノヤギの増加です。低木であるウチダシクロキは、ノヤギにとって食べやすい高さに葉があります。場所によっては、ウチダシクロキを選んで食べている様子さえあります。現在、ノヤギの食害を防ぐため、ウチダシクロキの周りには柵が設置されています。しかし、巧妙なノヤギはこの柵を越えてまでこの植物を食べているようです。 元々限られた場所にしか生えない植物が環境の変化によって個体数を減らし、外来生物のノヤギによって選択的に食害を受けるという、二重の圧迫を受けて絶滅に瀕しています。 |