
|
|
![]() |
|
静岡県、愛知県、三重県、和歌山県、 徳島県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、 熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 | |
|
| |
| 絶滅危惧IA類(CR) | |
|
|
|
カンランは屋久島、九州、四国、紀伊半島など暖温帯に分布します。広葉樹林の林床に生えるラン科の多年草で、洋ランのシンビジウムと同じ属の野生植物です。草丈は50cm程度になります。花は12月頃一茎に3〜10花咲き、優れて良い香りがします。カンランの花姿、香り、葉姿は古くから人々に愛されてきました。今でも全国に数多くの愛好者がいます。花色や葉姿に優れた形質を持つクローンには園芸名が与えられて代々栽培され、古典園芸文化が受け継がれています。 野生のカンランに新しい園芸形質を求めるため、古くからカンランの採集が行われてきました。上の写真(右)の自生株は、1985年に九州のカンラン自生地で見つけられた個体です。草丈15cm程度でカンランとしてはまだ小さく、周囲にはこの株以外見つけられませんでした。おそらく親株が持ち去られた後、土壌中に残った栄養体から芽が出たものであろうと考えられます。西日本の暖温帯広葉樹林に広く分布したはずのカンランですが、今では文字どおり草の根を分けて探してもほとんど見つからなくなっています。 2000年に出版されたレッドデータブックの事前調査によってカンランの減少傾向は数値で示され、10年後の絶滅確率が50%以上である「絶滅危惧IA類」に分類されました。カンランについては鹿児島県などが「指定希少野生動植物」の一つに選定して保護しています。しかし、すでに見つけるのも困難になった植物を復元させようとすると、法的な規制や保護活動だけでは無理があるように思います。カンランのおかれた厳しい状況の中で希望があるとすれば、生育環境がまだ残されていることです。カンランに詳しい園芸家も各地にいます。遺伝学や生態学も進んでいます。カンランが絶滅する前に我々のできることについて慎重に議論を重ね、すばやく実行に移すべき時に来ています。 |