脊椎動物門(哺乳綱/コウモリ目/ヒナコウモリ科)
ニホンウサギコウモリ
Plecotus auritus sacrimontis


北海道・
本州(中国地方を除く)・四国
絶滅危惧II類(VU)
 ニホンウサギコウモリは、その名のとおりウサギのような非常に大型の耳を持つ、ユーモラスなコウモリの仲間です。中近東からインド、インドネシアに分布しているウサギコウモリの日本固有亜種とされ、北海道、中国地方を除く本州、四国に分布しています。
 体は4.2〜5.8cm、前腕の長さは4.0〜5.8cm、尻尾の長さは4.2〜5.5cmと小型で、体重は7.8〜10.7gほどしかありません。体毛は全体に薄茶色から灰褐色です。
 他の多くのコウモリ類と同じく夜行性で、昼間は主に樹洞、ときに洞窟をねぐらにしています。夕刻からねぐらを飛び出し、主にガ類やカゲロウ類などの飛翔性の昆虫類を捕食します。コウモリ類の餌探索は、鼻や口から発せられる超音波の反射を、ソナーのように耳で捉えて行っていることは有名な話ですが、ニホンウサギコウモリの大きな耳はこの超音波を捉えるのに非常に役立っているものと考えられます。繁殖は年に1回、初夏頃に行われ、1回に1仔を出産します。
 近年、東北地方を除いた各地の生息地が、開発にともなう伐採により縮小しています。これにともない個体数も減少していると考えられ、現在50頭を超える集団は知られていません。これは、ニホンウサギコウモリがねぐらにしている樹洞の消失が主な原因と考えられています。ある地域では、樹洞の出来るような大木が自然林伐採とともに消失し、洞窟や家屋での繁殖集団も報告されています。また、餌となる昆虫類が一定量発生する環境の維持も、このコウモリの生息には不可欠な要素となります。

戻る