被子植物/単子葉類/ラン科
アツモリソウ
Cypripedium macranthum var. speciosum

北海道・本州;
ユーラシア
絶滅危惧IB類(EN)
 アツモリソウ属(Cypripedium)は唇弁と呼ばれる花弁の一枚が袋状にふくらんだ独特の形をしています。そのため、愛好者の多いランの中でも、もっとも人気のある仲間です。紅紫色の直径5cm以上ある派手な花をもつアツモリソウは、海外の園芸家のあいだでも人気のある種です。アツモリソウの自生地は、本州中部では標高1,500〜2,000mの草原や涼しい疎林内にあります。標高の低い都市部で栽培を試みたとしても生育は難しく、たいていは夏を越えられずに枯らしてしまいます。このため、自生地でもともと少ないアツモリソウは、東京などの山野草の大消費地で毎年100株以上が消えることになります。このような園芸目的での乱獲により、知られていた自生地のほとんどすべてで絶滅し、現在確認されている数はわずかです。
 最近では中国から違法に大量の山採り株を輸入し、山野草店などで販売されるケースが目に付くようになりました。つまり「絶滅の輸入」をしているわけで、国際的なトラブルの可能性を輸入していることにもなります。日本では1997年11月「種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)」で特定国内希少動植物種に指定され、一層の保護対策がとられています。さらに、最近では難しいといわれた種子の無菌培養に成功し、アツモリソウの保全に役立てるための研究が続けられています。

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