被子植物/双子葉類/合弁花類/タヌキモ科
フサタヌキモ Utricularia dimorphantha

本州
絶滅危惧IB類(EN)
 タヌキモ科の植物はすべて食虫植物で、湿地や水中、あるいは湿った岩場などに生えます。日本では人間の生活に直接利用されることはありませんが、変わった形態や習性をもつことから、愛好家によって、国外の種を含めさまざまな種が栽培されています。
  フサタヌキモは流れのゆるい平地の水田の溝や小川に見られる多年草です。タヌキモ科の植物は葉に丸い半透明の特別な袋をもっています。この袋を補虫嚢といい、フサタヌキモは非常に小さい補虫嚢が特徴で、しかも、葉にわずかずつしかつけません。袋は普段はしぼんでいますが、口近くにある2本のアンテナ(触覚)に小動物が触れると、水と一緒に吸い込みます。7月から9月に7〜15cmの花軸を出し、1cmほどの黄色い花をつけます。フサタヌキモはその通常の花とは別に、葉のわきに直径1〜2mmの球状のつぼみのような閉鎖花をつけ、内部で確実に種子をつくる仕組みをもっています。フサタヌキモの種子は大半がこの閉鎖花でつくられています。
 生育地は、開発と人間の生活にともなう水質汚濁のために消滅する場所が相次ぎ、全国でも数ヵ所しか残っていません。すでに野生状態で絶滅してしまったムジナモに次いで絶滅が心配されています。タヌキモ科全体では、現在レッドリストにも4種がリストアップされてしまっています。

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