脊椎動物門(硬骨魚綱/サケ目/サケ科)
クニマスOncorhynchus nerka kawamurae

本州(秋田県田沢湖)
絶滅(EX)
 クニマスは別名キノシリマスといい、秋田県の田沢湖のみに生息していたサケ科の淡水魚類です。1930年代までは漁が行われるぐらい生息していましたが、現在では絶滅してしまい、標本も国内に数個体しか残っていません。
 ベニマスに近縁で、湖沼型のヒメマスと似ていますが、体色が暗黒色で体やヒレに斑紋がないことなどで区別されます。研究者によってクニマスは、ベニマスおよびヒメマスと同一種であると考えられていますが、わずかな標本が残っているだけなので、詳細な研究はできなくなってしまいました。
 サケ科の仲間としては非常に珍しい生態をしており、一年中産卵していて、とくに1〜3月と7〜10月が産卵の最盛期でした。また、成熟すると体が著しく黒色になります。
 クニマスが生息していた田沢湖は最大深度423.4mと日本でもっとも深い湖で、透明度は1931年の観測では33mと、摩周湖に次いで日本第2位を記録していました。ところが1940年、水力発電所の建設によって強酸性河川の玉川の水が田沢湖に導入され、湖水が著しく酸性化したため、その後数年もたたないうちにクニマスを含む多くの水生動物が姿を消しました。現在も陸封型のサケの仲間には、絶滅の危惧に瀕している種類が多くあり、今後クニマスの絶滅のような悲劇は、繰り返さないようにしなければなりません。

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