脊椎動物門(鳥綱/タカ目/タカ科)
イヌワシAquila chrysaetos japonica

本州・四国・九州
絶滅危惧IB類(EN)
 イヌワシは、日本の山岳地帯における生態系の頂点に君臨する大型猛禽類です。そのため、個体数はもともと多くありません。北半球に広く分布し、日本では本州、四国、九州 に分布しています。1965年に国の天然記念物に指定されています。
 体はオスで約80cm、メスはやや大きく約90cm、翼を広げた長さは168〜213cmです。全身ほぼ黒褐色で、後頭部は金色で尾羽はやや灰色がかり、尾の先端は幅広く黒色の帯になります。くちばしは先が黒く根元は黄色、足も黄色で眼は褐色です。
 険しい山岳地帯に生息し、数100メートルに達する断崖を中心に広大な樹林地帯を行動域としています。飛翔力が大きいため低地や海岸に現れることがあります。営巣は基本的に岩棚で行いますが、時に針葉樹の大径木を使うこともあります。巣は長年使用したものでは外径が2m、高さが1.8mにもおよびます。産卵は雪深い1月ころから始まり、白色の卵を、1〜3卵を産みます。抱卵やヒナの世話はメスの役割で、オスは餌を運びます。食料はノウサギ、キツネ、ヤマドリ、アオダイショウなどで、行動範囲は広く、20〜60平方キロにおよびます。
 現在、生息数は400〜500羽と推定されていますが、年々減少しつつあると考えられています。生息地の山岳部では、森林伐採やスキー場開発による生息環境の減少やダム建設や林道工事による攪乱が起きています。イヌワシの保護には、上部に大きな崖地がある森林と草地の保全が重要です。

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