猛禽類保護センター

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PHOTO 調査研究の方法と目的
調査研究の方法と目的
 調査は、まず1羽ずつ個体の特徴を正確に記録し、個体識別を行う。その次に種内または種間で展開される行動を注意深く観察し、その様式を正確に記録していく。記録はいつ、どこで、なにをしたという定性的のものだけでなく、どれだけ、どれぐらいという定量的な記録が重視される。さらに行動の記録が数カ月一年ぐらいまとまったら、その中から行動様式のパターンを解析し、行動の結果がもたらす意義の評価をしてみる。評価の”ものさし”は、その行動が個体としての生存に寄与する効果をもたらしているかということと、種族としての存続に寄与する効果をもっているかという二つの尺度で計られる。したがって、個体としての利益と損失が必ずしも適応的意義という種族としての利益や損失と一致しない場合もあり得るわけである。

 いずれにしても、野生動物の調査では実験的手法が困難であり、客観的な事実記載のみが生命線となってくる。そのためには、科学的手法を取り込み、個体追跡も動物に発信機を付けて追跡や行動記録をとっていくラジオテレメトリー法やアクトグラム法をいった、より正確な記録法を検討している。

 さらには、イヌワシとクマタカの繁殖巣に監視カメラをセットし、定性的、定量的な餌メニューも記録していく。これらによってこの両種が利用している餌資源や空間がどの程度重複しているかが解析される。

 また、これまでの調査で両種のおおよその行動圏が判明しつつある他の調査地において、GIS(Geographic Information Systems 地理情報システム)などの解析ソフトを活用した環境要素の抽出を行い、両種の環境選好性にどの程度の差があるか多変量解析などを利用して解析していく予定。

 こうした猛禽類の種間の社会構造とその適応的意義も大部分は未解明である。それというのも、目視に頼って調査してきたこれまでの猛禽類調査の手法では、広大な行動圏をもつ複数の個体や種間の行動記録はとうていおぼつかないからであった。

 猛禽類保護センターの調査研究の役割の一つとしても、こうした遅れている猛禽類の野外調査の技術や手法の開発にも取り組んでいかねばならない。

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